平成30年3月3日、国立病院機構災害医療センター(立川市)において、在宅療養地域リーダー研修会が開催されました。本研修会は、狛江市を含めた多摩地区の8つの市で構成される北多摩医師会が主催しており、毎回、約90名の方が参加される規模の大きな研修会です。各地域で在宅医療に関わる多職種の方々(医療・介護・行政など)が一堂に会して、様々なテーマで議論しながら、在宅医療を一層充実させることが目的になっています。狛江市からは、医師会の吉川先生(すまる在宅クリニック)と工藤先生(ライズ訪問診療クリニック)を始め、各訪問看護ステーションのスタッフの方々や市役所の担当職員の方が参加されました。
今回の研修会では、各市でグループとなり、「地域包括ケアを進めるために」とテーマを決めてグループワークをしました。話し合いには、ワールドカフェ方式という新たな手法が採用されました。これは、問題の解決を直接の目的とはせずに、自由な発言で会話を活発にして話題や意見を増やす中で、ものの見方や考え方に「新たな気づき」を参加者が見いだすことを目的としています。各グループでは医師が司会役として効果的に発言を促しながら、参加者一人一人が普段の業務を通して感じている点や苦労した経験など、話題は尽きることなく話し合いが進行しました。グループワーク終了後に、各市の代表者から話し合いのポイントが発表されました。地域包括ケアにおける問題として、経済的理由や本人・家族の希望がなく在宅診療の導入が難しいケースの報告や、孤独死回避に向けた独居老人への関わり方など、様々な話題が紹介されました。また、これらの問題は医療介護だけでの解決は困難であることから、非専門職の住民やボランティアを巻き込んだ地域としての活動が始められている地区もあることが報告されました。
今後も狛江市医師会は、北多摩医師会の在宅医療推進協議会を始め、東京都医師会、日本医師会による様々な事業を通して、社会の高齢化問題に取り組んで参ります。